ラトルとラトルスネイク

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ラトルは、がらがらのことですよね。赤ちゃんが喜ぶおもちゃのこと。
英語なら「ラトル」r att l e でしょうか。赤ちゃんは動くものが好きで、音の出るものが好きで。その両方を合わせ持っているがらがらに興味を持つのは、当たり前でしょう。

「懐より小判三両取出し、小刀にて穴を明け、紙縷を通して、持遊のがらがらにして件の子供にあたへ……………………。」

寛政三年刊行の古書、『翁草』の一節にも、そのように出ています。がらがらと音がするから、「がらがら」となったのでしょうね。

「むずがらずによく遊んだりした日には御褒美にがらがらを買ってくれる。」

大正四年に、中 勘助が発表した『銀の匙』にも、そのように書いてあります。その頃、
「私」が好きだったのは、「肉桂棒」だったとも書いてあるのですが。これは単なるニッキの皮で、それを噛むなりしゃぶるなりして、菓子代りにしたものでしょう。
「がらがら」が出てくる小説に、『アコーディオンの罪』があります。1996年に、
E・アニー・プルーが書いた歴史小説。

「磨き上げられたテーブルの上にはビネガーの薬味瓶、セルロイドの赤ちゃん用ガラガラ……………………。」

『アコーディオンの罪』の主人公は、アコーディオン。およそ百年の間、アコーディオンが人々の間を旅する物語。
『アコーディオンの罪』には、こんな描写も。

「………オクラホマのグレン・プールなどの油田に行き、百万ドルのガラガラ蛇のスーツを身につけた石油王のピート・グルーバーを見かけた。」

ガラガラ蛇は、「ラトルスネイク」とも呼ばれるんだとか。ガラガラと音を立てて忍び寄るので。
私は特にラトルスネイクのスーツに興味があるわけでもありません。でも、素材が何であるにせよ、「百万ドル」のスーツには関心があります。一体全体、どんな素材を使ったなら、
「百万ドル」のスーツになるものでしょうか。

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