ランプとラヴァリエール

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ランプは、灯りのことですよね。lamp  と書いて、「ランプ」と訓みます。英語としての「ランプ」は、1200年頃から用いられているんだとか。
日本では明治の頃には、「洋燈」の宛字が使われたようです。つまり、日本古来からの「燭台」とは別に考えられたのでしょう。
ランプに付き物が「ホヤ」で、このホヤの掃除は子供の役目だったようですね。

🎶 ランプ引き寄せ 故郷へ 書いて又消す 湖畔の便り………

1940年に、高峰三枝子が歌ってヒットした『湖畔の宿』にも、ランプが出てきます。まだ、ランプを使っている所があったのでしょう。

「………文三は慄然と身震いして起揚り、居間へ這入ツて手探りで洋燈を點し………」

1896年に、尾崎紅葉が発表した小説、『多情多恨』にそのような一節が出てきます。
尾崎紅葉は、「洋燈」と書いて、「らんぷ」のルビを添えているのですが。時は明治ですから、部屋にランプがあるのは、当然でしょう。

ランプが出てくる小説に、『虹色のランプの伝説』があります。2012年に、アマンダ・クイックが発表した歴史小説。

「寄宿学校の生徒を救うためにランプを使ったときに、水晶のひとつが光らなかった理由………」

ここでの「虹色のランプ」は、魔法のランプという設定になっています。
やはりランプが描かれる小説に、『青い目のジャン』があります。
1932年に、フランスの作家、ジャン・ジオノが発表した自伝的小説。

「………ロッシニョルは夜を待った。ランプが灯されるのを見てから、おおきく飛翔するとでも言いたげに翼を広げ………」

ジャン・ジオノの若い頃は、フランスでもランプだったことが窺えるでしょう。
また、『青い目のジャン』には、こんな描写も出てきます。

「私の襟はかつてなかったほどで白く糊付けされており、ラヴァリエールはとても青かったので………」

「ラヴァリエール」lava llière は、十九世紀風の、スカーフ状のネクタイのこと。日本で「ボヘミアン・タイ」とも呼ばれたものです。
一説に、ルイ十四世の愛妾だった、「ラ・ヴァリエール」が好んだ結び方だったとも伝えられています。
どなたかラヴァリエールの似合うスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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