コーヒーとコオデュロイ

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コーヒーは、美味しいものですよね。また、適量のコーヒーは健康にも良いんだとか。世にコーヒー好きが多いのも、当然のことなんでしょう。
コーヒー・タイム。一杯のコーヒーを呑むのに、どのくらいの時間をかけるのか。三分、五分、七分。珈琲時間。
あの何も考えない空白の時間が、人間にとっては必要なんでしょう。「無の時間」。やはり「珈琲時間」は人間にゆとりをつくってくれるものです。

「珈琲館「影絵」はこんな町はずれの岬に一軒だけぽつんとあって、いったい客があるんだろうか、と思われるひっそりした店にいまはなっている。」

1979年に、大原富枝が発表した短篇『珈琲館影絵』に、そんな文章が出てきます。
珈琲館「影絵」は、大正時代の雰囲気を遺した店とも書いてあるのですが。また、『珈琲館影絵』には、コーヒーの飲み方についても。

「ブラックでまず味わってみて、そのあとミルクを入れたものをトーストとともに二杯、というのが毎朝の習慣であった。」

うーん。そういう飲み方のお方も多いでしょうね。

「私たちはときどきカフェで会い、洋梨のタルトを食べた。」

2019年に、フェルディナント・フォン・シーラッハが発表した『珈琲と煙草』に、そんな一節が出てきます。
ここでの「私たち」とは、私と「アユミ」。京都からやって来た日本人女性という設定になっています。場所は、ドイツ。
アユミは喫茶店の紙ナプキンに、良寛の一句を書いて、私に見せる。

うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ

うーん。コーヒーにタルトというのも、いいですね。
コーヒーが出てくる小説に、『ラモーの姪』があります。

「彼はコーヒーを飲み、いかにもおいしそうにつぶやいた。」

たしかに、呟きがもれるような旨い珈琲がありますよね。
『ラモーの姪』には、こんな描写も出てきます。

「ラヴェンダー色のオックスフォードシャツに、ツイードのジャケット、きちんとプレスしたコーデュロイのズボン、靴はローファー………」

これは「リチャード」の着こなし。
コオデュロイはコール天のことです。畝のある、毳のあるコットン
どなたかコオデュロイのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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