ロードスターとロジャー・エ・ギャレエ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ロードスターは、自動車の種類にありますよね。ごく簡単に申しますと、オープン・カーのことです。
屋根部分が開閉式になっている軽快な車のことであります。roadster
と書いて「ロードスター」訓みます。英語の「ロードスター」は、1744年頃から用いられているんだそうです。もともとは軽い馬車を走らせるための馬のことであったという。
自動車としてのロードスターは1920年代から流行になったそうですね。

「東京からこんど買ったロードスターで来たわ。わたしの處へくるのが目的か、自動車みせるのが目的でこの辺りにきたのか………」

これは「まつ子」の科白として。ある若者の乗って来たロードスターについて。
阿部知二が、昭和五年に発表した『冬の宿』に、そんな一節が出てきます。

ロードスターが出てくる小説に、『踊る地平線』があります。昭和九年に、谷 譲次が発表した物語。

「………老夫婦をのせた騾馬車の鈴、赤・黄・緑の見物自動車と最新のロウドスタア。」

これは当時のロンドンの街の様子として。また、『踊る地平線』には、こんな描写も出てきます。

「………ロジェル・エ・ギャレ会社製の練香油で海水浴用護謨帽子のように固めていたことも………」

谷 譲次は、「ロジェル・エ・ギャレ」と書いているのですが。これは「ロジェー・エ・ギャレエ」Roger & Galletのことではないでしょうか。
1806年創業の、巴里の香料専門店。天然香料だけを使うのが、特徴になっています。ことに香料石鹸は、有名でしょう。
ロジェー・エ・ギャレエで身体を洗うと、オーデコロンが要らなくなるほどです。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone