カメラとカモフラージュ

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カメラは、写真機のことですよね。カメラはもともと「部屋」の意味だったらしい。
「カメラ・オブスクラ」。これはラテン語で、「暗い部屋」を指す言葉だったという。
日本にカメラが伝えられたのは、1840年頃のこと。フランスのダゲールが写真機を発明した次の年に。その時代には、「撮影箱」などと呼ばれたそうですね。

「子爵は庭に下立ちて、早くもカメラの覆いを引被ぎ、彼是位置を取りなどして………」

尾崎紅葉が明治三十年に発表した小説『金色夜叉』に、そのような一節が出てきます。これは皆で庭で記念写真を撮る場面として。明治の小説に出てくる「カメラ」としては、わりあいはやい方かも知れませんね。

カメラが出てくるハードボイルド小説に、『死者の戦場』があります。森 詠が、1993年に発表した物語。
主人公の「北林」が戦場ジャーナリストなので、『死者の戦場』の題なのでしょう。

「フィルムは巻き上がっていない。カウンターは十二枚を示していた。十二コマだが、何かを撮っている。」

これは北林の親友、「日高次郎」の持っていたカメラについて。
森 詠の『死者の戦場』には、こんな描写も出てきます。

「男は迷彩シャツの前をはだけ、戦闘帽を被っていた。ナスビ型のサングラスをかけ、手すりにもたれかかって傍らの男と話しこんでいた。」

これはモノクローム写真に写っている男の姿として。
戦場から街にやってきた流行のひとつに「カモフラージュ」camouflage
があります。迷彩柄。もともとは森の中などで、姿を隠すために考えられたものだったのですが。
どなたか上品なカモフラージュの絹地でスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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