モンタギュウとモンテロ

モンタギュウは、人の名前にもありますよね。
たとえば、モンタギュウ伯爵だとか。
ことに、ジョン・モンタギュウはよく識られています。
サンドイッチの発明者として。モンタギュウとサンドイッチ、どんな関係があるのか。
ジョン・モンタギュウは第四代サンドイッチ伯爵でもありまして。
ジョン・モンタギュウは1718年11月15日、イングランドのチジックに生まれています。
ジョン・モンタギュウはジェイムズ・クックの応援者でもあって。
ジェイムズ・クックが今のハワイを発見した時、「サンドイッチ諸島」と名づけたのも当然のことだったでしょう。
このジョン・モンタギュウは大のカード好きで。徹夜でゲームに耽ることも珍しくはなくて。
そんな時、使用人命じて、コールド・ビーフをパンに挟ませて、それは食べながらゲームを続けた。
それがサンドイッチのはじまりなんだとか。
英語としての「サンドイッチ」は、1712年頃から用いられているとのことです。
このジョン・モンタギュウの先祖に、エドワード・モンタギュウがいます。
エドワード・モンタギュウが、初代のサンドイッチ伯爵なのですね。
エドワード・モンタギュウは、1625年7月27日に生まれた人物。後に英国海軍の大臣になっているのですが。
このエドワード・モンタギュウに仕えたのが、日記作家でもあったサミュエル・ピープスなんですね。
サミュエル・ピープスはたしかにサンドイッチ伯爵の部下だったのですが。よほど信頼されていたらしく。伯爵邸の個人的な執事の役目も果たしていたという。
サミュエル・ピープスは1633年2月22日。ロンドンに於いて誕生。お父さんはロンドンのテイラーだったそうですね。
サミュエル・ピープスが1660年1月1日から毎日『日記』を書いていたのは、ご存じの通り。
これはすべて暗号で書かれていて。解読するのに長い月日がかかっているのですが。
たとえば。1660年3月20日の『日記』を開いてみますと。

「ピムのボーイがわたしの指図で、モンテロ帽を二つ、どちらか選ぶように持ってきた。」

そんなふうに出ています。
これは友人のW・シモンズが長い航海に出るので、餞別のしるしとしての帽子を。
ここでの「モンテロ帽」は、スペインふうの狩猟帽のこと。
スペイン語の「モンテロ」montero は、「狩人」の意味があります。
どなたか十七世紀の「モンテロ」を再現して頂けませんでしょうか。