ハムレットと半纏

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ハムレットは、説明の必要がありませんよね。もちろん、シエイクスピアの戯曲。1600年頃の成立だと考えられています。
少なくとも1600年には、英國、オックスフォードで上演されているんだそうです。この時、ハムレットを演じたのは、リチャード・バーベッジ。シェイクスピアご本人も、亡霊の役で出ているんだとか。
以来、『ハムレット』はシェイクスピアの最高傑作とされて、これくらいいろんな物事の喩えに使われてきた演劇も少ないでしょう。
『ハムレット』から数えてちょうど300年後。フロイトは精神分析の用語に、「ハムレット」を例に抑圧理論を説いたものであります。
『ハムレット』からきっかり400年後。英国の俳優、サイモン・ビールがハムレットを演じて。サイモン・ビールは、長年、どうしてもハムレットが演りたくて。でも、やや肥満型の体型で。このビールの演じた『ハムレット』の記事評は、こんな風であった。

「 タビー・オア・ノットタビー、ファット・イズ・ザ・クエッション」

「太っているか、いないのか、いや脂肪が問題じゃ」
もちろん例の有名な科白にひっかけてあるわけですね。
シェイクスピアの科白が出てくる小説に、『当世書生気質』があります。坪内逍遥が、明治十八年に発表した物語。この中に。

「御身がふところにたくわえあらば、あくまで高価の衣裳を求めてこれを身に纏ふもさまたげなけれど………………。」

いうまでもなく『ハムレット』に出てくる科白のひとつ。また、『当世書生気質』には。

「今脱捨てたといふ銘仙の半纏、衣桁の片隅にぶらさがれり。」

これからの時期、半纏も悪くないですよね。スェーターの上に半纏ひっかけて。シェイクスピアでも読むといたしましょうか。

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