七月とシャークスキン

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七月は、文月 ( ふづき ) とも言うんだそうですね。どうして七月が文月なのか。
これにもいろんな説があるんだとか。ひとつに七夕と関係があるとも。七夕には歌を書く、詩を書く。その詩歌を短冊にして、笹の葉に。つまり文書く月なので、文月になったとか。
七月七日は、七夕。七夕は年に一度、織姫と牽牛とが逢える日。ここから昔の色町には、「七夕さん」の言い方があったらしい。年に一度来るくらいの客を、「七夕さん」と呼んだんだそうです。
七夕の日に生まれた人も、たくさんいるでしょう。また、七月八日に生まれた人も少なくないでしょう。たとえば、吉行理恵。
吉行理恵は、吉行淳之介と、吉行和子の妹。

「私は七月八日に生まれた。山口県熊毛郡では七月八日を牛の節句といって海で泳がせ、牛の団子というのを作る。一日違いで色気がない無いことおかしかった。」

吉行理恵は、『七夕祭』と題する随筆の中に、そのように書いています。
『七月七日』の随筆を書いたのが、犬養道子。七夕、中国、布地という関連で、こんな風に書いています。

「仏語はやわらかく光る最高の絹をクレープ・ド・シン ー シンは ch in e すなわちシナである……………………。」

そのように書きはじめています。犬養道子はまた『熊と切手』の随筆の中で、このような記憶を綴っています。もちろん昭和のはじめの話なんですが。

「しゃりっと光る純白の上衣にこれはロンドンボンドストリートと一眼でわかる上等のネクタイ ( 多分、馬の模様がついていた………) 中略 シャークスキンと言う洋服布地を知った最初である。」

これは犬養家に遊びにきた、西園寺公一の着こなし。うーん、純白のシャークスキンの上着なんですね。
シャークスキンは表面に凝った、美しい凹凸のある素材。七夕には、シャークスキンを着ましょうか。

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