ゴードンとコルセット

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ゴードンで、スピリッツといえば、「ゴードン」でしょうか。もちろん、ゴードン・ジンですよね。「ゴードン・ジン」は、1769年に、倫敦ではじまっています。「ゴードン・ジン」は、代表的な「ロンドン・ドライ・ジン」だとされています。ジュニパー・ベリーのエキスに加えて、コリアンダーのエキスも。
ロンドン・ドライ・ジンとは、その昔、ロンドン港から船出した伝統的処方によるジンのことなんだそうですね。
ゴードン G ord on は英米に多い姓で、もともとはスコットランド発祥だとか。スコットランド、バーウイック州の、「ゴーダン」G ord un から出ているのではないか、とも。
ゴードンと名につくお方に、コズモ・ゴードンがいます。コズモ・ルイス・ダフ=ゴードン。スコットランドの貴族で、フェンシングの名手でもあった人物。
奥方が、ルーシー・クリスティナ・ウォレス。倫敦で、高級服飾店「ルシール」経営者だったお方。
1912年4月14日。「タイタニック号」の一等船客で、無事に生還した数少ない人物でもあります。
ゴードンが出てくるミステリに、『夜歩く』があります。ディクスン・カーが、1930年に発表した物語。舞台は、当時の巴里になっています。

「名前はゴルドンとかなんとかいったなあ。もちろん、アメリカ人だ」

これは巴里の予審判事、アンリ・バンコランの科白。シド・ゴルドンは、アメリカ人という設定。言うまでもなく、G ord on 。フランス訓みなので、「ゴルドン」となるわけですね。
ディクスン・カーの第一作『夜歩く』には、こんな描写も。

「彼の挨拶のしかたは、軍隊やコルセットを連想させるようなもので、黒いリボンで吊った片眼鏡をひねくりまわす手つきは、いやに芝居気たっぷりだった。」

これは、エドワール・ヴォートレルという人物の様子。ヴォートレルはたぶん男性用コルセットを着けているものと思われます。
1920年代末の巴里には、コルセット着用の洒落者もいたのでしょう。もちろん、ウエストを細くするために。それほどに、ウエスト・シェイプが大切だったというわけですが。

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