グリーン・ゲイブルズは、「赤毛のアン」のことですよね。
『赤毛のアン』の原題は『アン・オブ・グリーン・ゲイブルズ』ですから。
「ゲイブル」gable は、「切妻」のこと。「破風」とも。建築用語のひとつですよね。
切妻造りというではありませんか。風は入ってくるけれど、雨は入ってこない工夫のこと。
斜めの板の重なり。もしこれが七枚なら「セヴン・ゲイブルズ」になるわけです。
あるいはまた、緑色に塗ってあったなら、「グリーン・ゲイブルズ」に。
『赤毛のアン』が、カナダの作家、ルーシー・モード・モンゴメリの作であるのは、言うまでもありません。
ルーシー・モード・モンゴメリは、1874年4月11日、カナダのプリンス・エドワード島に生まれています。
お父さんの名前は、ヒュー・ジョン。お母さんの名前は、クレアラだったそうです。
今からざっと百五十年前のことになります。
ルーシーは子供のときから、お母さんのお話を聞くのが、大好きだったという。
ルーシーはまた、文章を書くのも好きだったとのこと。
1889年9月16日、十五歳のときから毎日「日記」をつけるように。このルーシーの「日記」は現在、カナダの「グウェルフ大学」に保存されているとのこと。
およそ五十年の間、毎日「日記」を書き続けているのです。
ルーシーは、1884年、十歳の時。『たそがれの夢』という詩を書いて。少なくともルーシーが文学少女だったのは間違いないでしょう。
1890年には、『マルコ・ポーロの座礁』と題する随筆を発表。
この頃からルーシーはペン・ネイムを使って盛んに投稿しています。
ある時、『ユース・コンパニオン』という雑誌から、12ドルの原稿料が送られて来て。ルーシーはこの原稿料で、詩集を何冊か買ったそうですね。
1908年、『赤毛のアン』が、刊行。これが大ベストセラーになるわけです。
『赤毛のアン』を読んでおりますと。
「だって、このおそろしく着古した交織の服を着てこなければならなかったのですもの。」
これはアンの言葉として。
「交織」。原文では、「グローリア」gloria になっています。
グローリアは、縦にシルク、横に細いウールは配して織った交織地のこと。やや光沢のある生地なので、「グローリア」と呼ばれたものでしょうか。
どなたかグローリアのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。