ピカソとホーズ

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ピカソの写真を多く撮った写真家に、ダンカンがいますよね。
デイヴィッド・ダグラス・ダンカン。頭文字だけを並べると、D・D・Dになる人です。D・D・ダンカンは、アメリカ人。アメリカ人なんですが、ピカソの写真を撮るために、フランスに移り住んだ人物。
それ以前には戦場カメラマンで、ロバート・キャパとも知り合いだったそうです。
デイヴィッド・D・ダンカンは、第二次大戦後。中東である宝石を手に入れる。その宝石で、指環を作ってもらう。が、その指環のデザインが気に入らなかったらしい。で、イタリアに行った時、ブルガリでその指環を作り変えてもらう。
ブルガリでの新しい指環ができた時、ダンカンは閃いた。「これはピカソにぴったりの指環だ」。
このあたりの思い込み、飛躍も、なかなか芸術的ではありますが。その時のダンカンはピカソに一面識もなかったのですから。
それからのダンカンはフランスに行って、ピカソに電話を。「キャパの親友の、ダンカンですが……」。このひと言で、会ってくれることに。1947年のことです。
ダンカンがピカソを訪ねると、ピカソは入浴中。当時の奥さん、ジャクリーヌがピカソの背中を流している。そんなわけで、ダンカンが最初に撮ったのは、「裸のピカソ」だったという。それからざっと、15,000枚のピカソの写真を、ダンカンは撮ることになるのですが。
ピカソが愛用したもののひとつに、縞柄のズボンがあります。もちろん、ダンカンの写真にも見ることができます。ホリゾンタル・ストライプの、トラウザーズ。
ピカソはクールベの絵が好きで。クールベの絵の登場人物が、横縞のズボン穿いているからなんだとか。あのピカソ独特のズボンは、クールベ敬愛の印でもあるのでしょう。
ピカソの「縞馬ズボン」を、実際に仕立てたのは、ニースのテイラー、「サポーン」。
サポーン製の「縞馬ズボン」の下にピカソは何を履いていたのか。
ダイヤ柄の、ウールの長靴下を履いていた。ホーズを。それもこれも、ダンカンの写真によって分かることなのですが。

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