ばってらとブレイザー

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ばってらは鯖の押し鮨のことですよね。これは、大阪言葉からはじまっているんだとか。
ばってらは、ポルトガル語の、「バッテイラ」 bateira から来ているんだそうです。「バッテイラ」は箱型の川舟のこと。
鮨を押し鮨にする時の、型が、この川舟に似ているというので、バッテイラ。バッテイラがその後変化して、「ばってら」に。
川舟、ボート。ボートから想い浮かべる人に、田中英光がいます。田中英光の、『オリンポスの果実』を。田中英光が昭和十五年に発表した純愛小説。
田中英光は昭和七年の、ロサンジェルス・オリンピックに出場。ボート競技の選手として。この時、日本選手のユニフォームとして、真紅のブレイザーを着ているんですね。もっとも小説の中では「ブレザーコート」の表記になっているのですが。
ところで。大正十五年に、『裁断研究』が刊行されています。木村慶市著、不朽の名著。『裁断研究』の中では、「ブレイザー」 blazer として紹介されています。たぶん、「ブレイザー」の表記としては比較的はやいものではないでしょうか。
また、同じく木村慶市著『服装百科辞典』では「ブレイザー」を次のように、説明しています。

「遊技服。テニスその他の戸外遊技に着用される紺または派手な色合いのフランネル製背廣で、單衣に製り、前は三釦…………」

これは簡にして要を得た解説ですよね。「單衣」。これは今のことばに置き換えるなら、「アンコン」でしょうか。つまりは、一重仕立てだったわけですね。
まあ、時代によってブレイザーも変化するのでしょうね。

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