バゲットと格子柄

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バゲットは、美味しいものですね。
ことに焼きたてのバゲットはどうしてあんなに、美味いのか。少なくとも焼きたてのバゲットに幸福の味が詰まっていること、間違いありませんね。
バゲットをはじめとして、あの棒状の、太いパンは、十四世紀のヨーロッパですでにあったんだそうですから、古い。
バゲットはだいたい250gくらい。長さにして70㎝前後。このバゲットをば半分に切りまして。さらにタテに切目を入れて、中にハムとチーズとを挟みますと。フランス風のサンドイッチになります。これはただ美味しいだけでなく、充分ランチにもなってくれるでしょう。
バゲットが出てくるミステリに、『真冬に来たスパイ』があります。1984年に、マイケル・バー= ゾウハーが発表した物語。

「店のなかでは、白いエプロン姿の大男が、焼きたてのバゲットやキツネ色にこんがり焼けた丸型パンを陳列棚に並べている。」

「こんがり焼いた丸型パン」って、いったい何でしょうね。もしかすれば、パン・ド・カンパニューでしょうか。
これは、故き佳き時代の、巴里での光景。それを眺めているのは、元スパイだった、アレクサンドル・オルロフという設定。また、こんな描写も。

「タートルネックの上にはいかにもイギリス的な淡いグレーの格子縞の背広を着て、靴は底の厚い黒靴。」

これは、イギリス人、ハロルド・フィルビーの着こなしなんですね。この「格子縞」は、何なのか。私は勝手に、ウインドーペインを想像しているのですが。
バゲット手でちぎって食べる姿が様になったら、フランス人。ウインドーペインの上着が様になったら、イギリス人。そんな言い方も、できるかも知れませんね。

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