トルコ・コーヒーとトルコ帽

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トルコ・コーヒーという飲み方がありますよね。ごく簡単に言って、「ドリップ式」ではないコーヒーのことです。
ドリップ・コーヒーよりもクラッシックな淹れ方とも言えるでしょうか。挽いたコーヒー豆を水に入れて、沸かす。それを濾さないでカップに注ぐ。注がれたほうでは、その上澄みだけを、飲む。
よく「コーヒー占い」というのがあります。このコーヒー占いは、トルコ・コーヒーと関係があるのではないでしょうか。トルコ・コーヒーの場合、必ずカップの底に糟が残る。その糟の様子を観て、それを飲んだ人の人生を占うわけです。つまりコーヒー糟が残らないことには、占うに占えないのですから。
もしコーヒー占いが世界のあちらこちらにあったとすれば。ドリップ式コーヒー以前には、広くトルコ式コーヒーが飲まれていたのかも知れませんね。
トルコ・コーヒーに使う道具のことを、「ジャズヴェ」 cezve と言います。把手の長い柄杓のこと。これなら、直火にだって使えそう。いや、実際、中世までは多く直火でトルコ式コーヒーを沸かしたのでしょう。
ところでトルコではコーヒーのことを、「カーヴェ」 kahve と呼ぶんだとか。コーヒー専門店は、「カーヴェハーネ」 kahvhane となります。
トルコ・コーヒーが出てくる小説に、『ブルーリア』があります。1970年に、ダヴィッド・シャハルが書いた物語。

「トルココーヒーを小さなカップからごくりと飲んでは、顧客にかぼそいしわがれ声で占いを聞かせていた。」

これはある占師がトルコ・コーヒーを飲んでる場面。また、こんな描写も。

「黒いトルコ帽をかぶったガラス目の………」

これは占師の看板に描かれた絵のことなんですが。トルコ帽はふつう「フェズ」 fes とトルコでは言います。多く、赤で、長く垂らした房が付くものです。
時にはフェズをかぶって、トルコ・コーヒーを飲んでみたいものですが。

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