オート・クイジーヌとオールド・スパイス

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

オート・クイジーヌは、ヌーヴェル・クイジーヌのことなんでしょうね。どちも日本語にしてみれば、「高級フランス料理」なんでしょうから。
でも、「ヌーヴェル・クイジーヌ」なのか、「オート・クイジーヌ」なのか。さあ。
オート・クチュールの表現があるくらいですから、「オート・クイジーヌ」があって不思議ではないでしょう。では、衣と食、どちらが先なのか。つまり、「オート・クイジーヌ」と、「オート・クチュール」と。
これはどうも、「オート・クチュール」のほうが早かったみたいですね。オート・クチュールの原型は、1868年頃に生まれているそうですから。もっともこの時にはまだ「オート・クチュール」の言葉そのものは使われていなかったらしい。
オート・クチュールの実態そのものが完成されたのは、ウォルトによって、というのが定説になっています。シャルル・フレデリック・ウォルトが。ウォルトはもともと英國人だったというのですから、面白いものですね。
ところで、「オート・クイジーヌ」が出てくるミステリに、『水時計』があります。イギリスの作家、ジム・ケリーが、2002年に発表した物語。

「ほかの連中は胸の奥で、家に帰ったら、“オート・クイジーヌ”の意味を調べること、とこっそりメモしていた。」

ここから単純に推理すると、「オート・クイジーヌ」は英国的な言い回しなのでしょうか。
『水時計』には、こんな描写も出てきます。

「タルカム・パウダーでさらさらした肌。それにぴったりのみじかい金髪。そしてぷんぷんと匂うオールドスパイス。」

これは、アンディ・スタッブズという男の様子。
ありましたね、「オールド・スパイス。オフ・ホワイトの地に、赤い帆船のマーク。あの帆船は、「グランド・ターク号」をモデルにしたものだったそうですね。
髭に剃ることは、多少なりとも、肌が傷つくことで。一応、殺菌は必要でしょう。が、過ぎたるは及ばざるが如しで、「ぷんぷん」はちょっと……………………。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone