コンブレーとコンプレ

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コンブレーは、フランスの地名ですよね。ほんとうに存在する地名なのです。
でも、コンブレーには少し説明が必要かも知れませんが。現在の、フランスの地名には、「イリエ=コンブレー」と記されています。その意味では、「イリエ=コンブレー」が、正式な名称なのでしょう。が、それには長く、「イリエ」がその村の名前だったのです。
村といっては失礼かも知れませんが、シャルトルにも近い、ほんとうに静かな町なのです。
この小さなイリエになにがあったのか。プルーストの実家があったのです。もちろん、フランスを代表する作家、マルセル・プルースト。
プルースト、カミュ、ジョイス。この三人を、二十世紀最高の作家と考えている研究者も少なくはないようですが。
プルーストの代表作が、『失われた時を求めて』であるのは、いうまでもないでしょう。プルーストの長篇『失われた時を求めて』には、何度も、繰り返して、イリエのことが出てきます。ただし、架空の町、コンブレーとして。

「長い年月が経ってしまったがコンブレーでは、どんなに帰宅が遅くなっても、私の窓ガラスには赤い夕映えが見えていた。」

ざっと、こんなふうに。この「コンブレー」が、実際にはイリエのことだったのです。小説には、創作には、名前を変えることは、珍しいことではありません。が、こんなふうにプルーストが「コンブレー」と書いたために、改名。結局、「イリエ=コンブレー」となった。これは珍しいことかも知れませんね。
とにかく『失われた時を求めて』は、長篇も長篇、大長篇ですから、ありとあらゆるファッションが登場します。

「いつもひらひら揺れるラヴァリエール・タイや学童用上着を思わせるシングルの上着に見られる自然さが………………………」。

これは、ルグランダンの着こなし。たぶん、ラウンジ・ジャケットを着ているのでしょう。もし、フランス語なら、「コンブレ」と呼んだでしょう。たとえば、「ヴェストン・コンブレ」は、ラウンジ・スーツの意味になるのですから。
一度、お気に入りのコンブレを着て、イリエ=コンブレーを旅してみたいものですね。

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