シェリーと白服

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シェリーは、美味しいものですよね。ことに、ドライ・シェリー。ドライ・シェリーなら、いつでも、どこでも一杯は。なんかそんな感じがあります。
シェリーはスペインの、酒精強化ワイン。もともとは白ワインなんですがブランデーなどを加えてある飲物。ポートなんかも同じ。ポートはポルトガルの酒精強化ワイン。
常温で置いておけるので、便利でもあります。シェリーもポートもイギリスでは造れないのに、イギリス人が大好きというのも、面白いところでしょう。
日本人がふらっと英国人を訪ねて。「シェリーでも飲むかい?」と言われたなら、気に入られたということです。

われに與ふ 一盞の該里の酒

木下杢太郞の『該里酒』と題する詩の一節。木下杢太郞は、該里の脇に「せりい」のルビを振っています。もちろん今のシェリーのことなんですね。
木下杢太郞は、むかしあった「鴻の巣」ではじめてシェリーを飲んだ、とも書いています。
シェリーがお好きだったのが、谷崎潤一郎。谷崎潤一郎著『友田と松永の話』の中に。

「彼は銀の盆の上から、その琥珀色の液體を盛つたシェリー・グラスを、私の前に置いた。」

これは実は、アモンティラードなのですが。
『友田と松永の話』には、こんな描写も出てきます。

「リンネルの背廣に英國製のタスカンの中折れを被つて、何から何まで眞白づくめの服装をした……………………。」

いいですねえ。上から下まで真っ白で、美味しいシェリーを飲みに行きたいものです。

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