帆船とバーリントン・アーケード

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

帆船は、読んで字のごとく、帆に風を受けて走る船のことですよね。
帆船は、英語の「ヴァッセル」でしょうか。古い日本語ですと、「帆掛け船」。
帆船は少なくとも古代ギリシアの時代からあったようです。古代ギリシアにはパピルスがあって、これを帆に張ったという。近代でも、英國の「ティー・クリッパー」、あれもまた帆船だったのは、いうまでもありません。帆船が出てくる小説に、『偶然』があります。ル・クレジオが書いた物語。この中に。

「海のはずれの線を通りすぎようとするその三角形の大きな帆が。…………………。」

『偶然』の原題は、『アザール』。帆船の名前が題になっているわけです。帆船の登場する物語は他にもあって。たとえば、『極めて個人的な話』があります。サマセット・モオムが、1941年に発表した小説。小説なんですが、モオムの自伝とも読める物語になっています。

「二人寝られるサロンが一つと、寝床が一個置いてある船室が一つ、その二つの部屋の間に通廊があって、そこにも寝棚が一個置かれていた。

これはモオムがその頃持っていた帆船、「サラ号」を説明している場面。『極めて個人的な話』には、こんな描写も出てきます。

「三十年前、流行を追う若者たちがワイシャツやネクタイを買ったバーリントン・アーケードは修羅のちまたと化した。」

もちろん戦争で破壊されたことを述べているのですが。今は、美しく再建されていること、申すまでもありません。
バーリントン・アーケードで、帆船に乗るための装いを揃えるのは、夢物語ではありますが……………………。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone