ヘレンとヘリンボーン

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ヘレンは、女の人の名前ですよね。たとえば、ヘレン・ケラーだとか。ヘレン・ケラーは、あの「奇跡の人」と呼ばれているお方。
ヘレン・ケラーは一歳で、熱病のために、見ること聞くことができなくなって。で、どうしたのか。手と身体の動きで会話するように。

「長い暗闇に、明るい光がともったのは、賢明で愛情あふれる母のおかげである。」

ヘレン・ケラーは、『自伝』の中に、そのように綴っています。愛の力は、何にも優るのでしょう。
ヘレンで、ジャズでといえば、ヘレン・メリルでしょうね。ヘレン・メリルは1950年代に、「ニューヨークのため息」絶讃された歌手。そのハスキー・ヴォイスは誰をも痺れさせる力を持っています。
代表曲は、『ユウドゥ・ビイ・ソオ・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ』です。こればかりは、ヘレン・メリルの十八番であります。
1942年に、コール・ポーターが作曲。でも、大ヒットとはならなくて。でも、ヘレン・メリルは歌って歌って。
1954年に偶然、クリフォード・ブラウンと共演。これが、大当たり。拍手喝采鳴りやまず。
ヘレンが出てくるミステリに、『証拠のかわりに』。レックス・スタウトが、1946年に発表した物語。

「ヘレン・ヴァーディスという名前ですが………………」

これはある事件の関係で、警察に相談に来た女の人。また、『証拠のかわりに』には、こんな描写も。

「グレーのヘリンボンの背広も、南カリフォルニアのサンディゴからメイン州のバンガーまで、それこそ、アメリカじゅうのどこででも………………」

ここでの「ヘリンボン」は、たぶんヘリンボーンのことなのでしょう。つまり、1940年頃のアメリカでは、それくらいのヘリンボーンの上着が流行していたのでしょう。
時には、ヘリンボーンの上着で。ヘレン・ケラーの本を探しに行くとしましょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone