コレッジオとコラント

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

コレッジオは、イタリアの天才画家ですよね。イタリア、中世の画家。ミケランジェロや、ティツィアーに並ぶ画家です。
今、イタリアのパルマを訪れると、「サン・パオロ女子修道院」があります。ここの丸天井を見上げると、美事なコレッジオの絵画に出会えるでしょう。
このサン・パオロの天井画は、コレッジオの最高地点のひとつだと考えられています。1519年頃の作であろうと思われているとのこと。
その頃の院長は、ジョヴァンナ・ダ・ピアチェンツァで、ピアチェンツァはなぜかコレッジオの才能を予感。それで、ジョヴァンナの居間であり、食堂ともなるサロンの丸天井に、コレッジオの絵を採用したと伝えられています。もし、叶うことなら、双眼鏡で観たいくらいの、細微、流麗の絵画に仕上がっているのです。
コレッジオがイタリアのパルマで生まれ、パルマで活躍したことは分かっています。が、どうも控え目な性格であったらしく、詳しいことはほとんど知られていません。
パルマはイタリアの中でも、美食の街とされています。美味しいフロマッジョがあり、美味しい生ハムがあります。食もまた藝術であってみれば、美しい藝術が生まれるのも、当時でありましょう。
コレッジオの絵がお好きだったのが、フランスの作家、スタンダール。

「そのうえ甘い逸楽的な眼つきをしている………コレッジオ風の顔だ…………………。」

スタンダール著『パルムの僧院』の一節です。また、『パルムの僧院』には、こんな描写も。

「娘たちはファブリスの軍服と比べて、ずっと宿めなければならないのに気がついた。」

『パルムの僧院』は、1838年の執筆。むろん、戦争中の話。軍服の寸法が大きい。緊急事態。娘たちは夜なべをして、縫い宿める。
フランス人にとってぴったりの服はよほど大切なことなのでしょう。「コラント」 c o I l ant は、「ぴったり」のこと。
緩い寸法の服を着て平気な私は、かなりお莫迦さんに見えることでしょうね。
せめて一度くらいコラントの服で、コレッジオの画集を探しに行きたいものですが。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone