シャトーとショール

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シャトーは、城のことですよね。château と書いて、「シャトー」と訓むんだそうですが。
シャトーはまた、ワインのことでもあります。冗談に、「シャトー・ラ・ポンプ」というのがあって、つまりは「水道水」。
まったくの一例ではありますが。「シャトー・ラ・トゥール」。美味しいワインですよね。でも、実際にシャトー・ラ・トゥールに行きましても、「城」という印象ではありません。
しかしワインの場合、家とか館とか工場とかを指して、「シャトー」と呼ぶ習慣になっているわけですね。
シャトーは人の名前にもありまして。たとえば、フランスの作家、シャトーブリアン。
フランソワ・シャトーブリアンは、カトリック教に深く信奉した作家でもあります。また、その一方、美食家でもありまして。網焼きステーキの名前に、今も「シャトーブリアン」が遺っていますよね。
シャトーブリアン家の料理人が考案したので、その名前があるんだとか。

「………シャトブリアンとアーティショーの煮たのと菓子。シャムパンばかりで白ワインが出なかったのは残念だ。」

古川ロッパは、『昭和日記』の中に、そのように書いています。昭和十三年五月六日。金曜日のところに。神戸港のフランス船「フェリック・ルーセル号」のレストランで。
本物のシャトーが出てくる随筆に、『記憶の繪』があります。森 茉莉が、昭和四十三年に発表したエッセイ集。

「………その海には巌窟王のダンテスが閉じこめられたシャトオ・ディフが幻のように浮かんでいる……………………。」

森 茉莉は、海の匂いから、物語中の「ディフ城」を想起する場面なんですね。森 茉莉は、「シャトオ」と書いています。
森 茉莉が、1961年に発表した『ボッチチェリの扉』の中に。

「………絵美矢を喜ばせる黒レエスのストールや手袋、ココアの大缶なぞもあった……………………。」

そんな一節が出てきます。
ストール st o l e は「聖的なショール」でしょうか。
カトリック教の司祭の衣裳にも、「ストラ」st o l a があります。ラテン語では、「ストラ」。英語では「ストール」。肩から左右対称に飾る長い帯のことです。これは、ギリシア語の、「ストレー」stolē から来ているらしい。それは、「礼服」の意味だったとか。
どなたか正装にも使えるストールに近いショールを作って頂けませんでしょうか。

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