アイルランドとアイリッシュ・トゥイード

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アイルランドは、ヨオロッパの北海道ですよね。アイルランドの国土は、北海道の大きさに近いんだそうですから。
アイルランドで美味しいもののひとつに、ベイコンがあります。もちろん、朝食にもふさわしい。アイルランドのベイコン・エッグの味わいは、濃い。これにスコーンを添えると充分なくらいに。
アイルランドはまた、紅茶の国でもあります。濃いミルク・ティーに濃いクリイムをぬって、紅茶で頂くわけです。
アイルランドを代表するビイルといえば、ギネス。ギネスは、黒ビイル。1759年の創業なんだとか。ギネスは健康によろしいというので、有名。とにかく産婦にお勧めできるビイルというのですから。そのキャッチフレーズも、「ギネス・グッド・フォア・ユウ」になっています。
1930年頃、ギネスは広告文を公募。その時のひとつに、「心を解き放つ滑らかなフレッシュナー」というのがあったらしい。でも、採用にはなりませんでした。これはFからはじまる言葉を四つつなげての文案だったのですが。ジェイムズ・ジョイスの作であったとか。今の「ギネス・グッド・フォア・ユウ」は、英国の推理作家、ドロシー・L・セイヤーズの考案だと伝えられています。
ギネスで識られているものに、『ギネスブック』があるのはご存じの通り。
『ギネスブック』そもそものはじまりは、1950年代のこと。ある日、ギネスの重役、ヒュウ・ビーバーが狩りに。その時の話題が、「雷鳥とヨオロッパナグロとはどっちが速く飛ぶのか?」。早速、ロンドンの編集会社に頼んで、調べてもらうことに。
速度の速い鳥のことを。これがなかなか面白いので、本にすることに。1955年のことです。『ギネスブック』は多い時には一億部売れたという。これこそ世界記録ではないでしょうか。

アイルランドの飲み物に、アイリッシュ・ウイスキイがあるのは言うまでもありません。スコッチ・ウイスキイよりも歴史が古い。そんな説もあるほどに。「ブッシュミルズ」の銘柄はお聞きになったことがおありでしょう。外にも、「ジェイムソン」や「タラモア・デュウ」もアイリッシュ・ウイスキイの銘柄です。
アイルランドの飲み物でもうひとつ忘れてならないのが、「アイリッシュ・クリイム」。これはアイリッシュ・ウイスキイに濃いクリイムを加えた飲み物。甘くて、身体を温めてくれるものです。

アイルランドはその昔、古代ノルマン人の影響を受けているんだそうですね。

「舟作り、釘製造、機織り、ベーコン作り、製塩、デンプン、ロウソク、皮なめし、鋳物、車輪作り、大工、指物師、いかけ屋、パン職人、桶屋、キルト職人などである。」

アイルランドの作家、ショーン・オフェイロンが、1947年に発表した『アイルランド』に、そのように出ています。これはノルマン文化がアイルランドに伝えた品々として。
アイルランドのキルケニー州、グレーグナマナの、「シトー修道院」近くには、今もその時代の面影が遺っているんだそうですが。

アイルランドが出てくる小説に、『音楽』があります。アイルランドの作家、ウィリアム・トレヴァーが、1986年に発表した物語。

「イタリアのトリエステにいた時期、ジョイスはアイリッシュ・トゥイードの代理業者になろうとしたことさえあった。」

ここでの「ジョイス」が、ジェイムズ・ジョイスを指していることは申すまでもありません。
これは、本当の話。1906年頃のこと。ジェイムズ・ジョイスは、厚くて暖かいアイリッシュ・トゥイードをイタリアに輸入すると人気が出るだろうと、考えて。でも、ジョイスは原稿に追われて実際に輸入することはありませんでしたが。
どなたか1906年頃のアイリッシュ・トゥイードを再現して頂けませんでしょうか。

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