ヴェルレエヌとヴェストン

ヴェルレエヌは、詩人の名前にもありますよね。
もちろん、フランスの詩人、ポオル・ヴェルレエヌであります。
Verlaine と書いて「ヴェルレエヌ」と訓むんだそうですが。

巷にの降るごとく わが心にも涙ふる かくも心ににじみ入る このかなしみは何やらん?

堀口大學の名訳ですね。
ポオル・ヴェルレエは、1884年3月30日。フランスのメッスに生まれています。
ヴェルレエヌといえば、ランボオを想う人も少なくないでしょう。
ランボオの天才を発見したのは、ヴェルレエヌだったのですから。
ヴェルレエヌとランボオとの関係。それは一通の手紙からはじまっています。
1871年9月。ランボオはヴェルレエヌに、手紙を書いているのです。
故郷のシャルルヴィルから、巴里のヴェルレエヌに宛てて。
「巴里に上京したい。」
これを歓迎したのが、ヴェルレエ。
1871年9月15日。ランボオは巴里のストラスブール駅に着いて。
ヴェルレエヌは駅に迎えに出たのですが。行き違えがあって、駅では逢えません。
でも、ヴェルレエヌが家に帰ると、そこにランボオがいたという。
その時のランボオは十七歳で、青いコットンの靴下を履いていたんだそうですが。
ヴェルレエヌが出てくる物語に、『ふらんす物語』があります。いうまでもなく、永井荷風の作品。

「何処となく優しみと悲しみのある処かから、西洋ならヴェルレーヌなどが歌つてもよささうな詩のやうに思はれる。」

また、『ふらんす物語』には、こんな描写も出てきます。

「新しいパナマ帽、鼠色の胴着、黒ずんだオリーブ色の縞地のベストン、」

これは五月の巴里風景として。
ここでの「胴着」は、ジレのことでしょう。
また、「ベストン」はヴェストンveston 。
フランス語の「上着」のこと。
どなたか1900年代のヴェストンを仕立てて頂けませんでしょうか。