おからとリーファー

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おからもたまには食べたくなるものですよよ。
おからは大豆で豆腐を作ったあとの、殻。でも、栄養満点でもありますから、「お殻」。
時に、「卯の花」とも、「雪花菜」 ( きらず ) とも。その様子が卯の花に似ているから。切らずに作るから、「雪花菜」。
このおからが大好きだったのが、内田百閒。おからについて愛情あふれる随筆を、いくつか書いていますよね。有名なところでは、『おからでシャンパン』とか。
百閒先生はおからに銀杏を添えるのが、お好きだった。そしてまたおからを食べる前に、レモンを絞る。で、頃合いの柔らかさにしてから、いただく。それというのも内田百閒はおからを食べるのに、こぼしたくなかった。
「おからを食べる時にこぼすと、長者になれない。」
そう固く信じていたから。

「おからの口ざはりもぱさぱさではないが、その後をシャムパンが追つ掛けて咽へ流れる工合は大変よろしい。」

まあ、このあたりは内田百閒の面目躍如といったところでしょうね。
シャンパンが出てくるミステリに、『嵐の眼』が。ご存じ、ジャック・ヒギンズの作。主人公、ショーン・ディロンはシャンパン好きという設定。

「では、クリュッグをもらおう。ただし、ノン・ヴィンテージのものを。ブレンドの方が好きなのでね。」

ある時、ある所で、飲物を聞かれての、ショーン・ディロンの答え。と、さる大富豪に、「趣味が良い」と褒められる。シャンパンもまた、奥が深いんでしょうね。
この時、ショーン・ディロンはなにを着ているのか。「リーファー・コート」と訳されています。ダブル前の、しっかりとした上着。
でも、「リーファーでシャンパン」なんて、随筆の題になりますかね?

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