夜空と裁断

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夜空からはじまる物語に、『銀河鉄道の夜』がありますよね。宮沢賢治の、名作。
『銀河鉄道の夜』は詩のようでもあり、小説のようでもあり。でも、宮沢賢治としては、童話のつもりだったのでしょう。昭和二年頃の作。なんですが、未完に終わっています。

「ではみなさんは、そういうふうに川だと言われたり、乳の流れたあとだと言われていた。このぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。……」

たしかそんなふうにはじまるんでしたね。先生が、学校で銀河系について説明する場面。
銀河系のことを、英語では、「ミルキー・ウエイ」。誰も想うことは似ているんですね。
そういえば昔、「ミルキー・ウエイ」というキャンディーがあったらしい。アメリカの製菓業者、フランク・C・マースが、「ミルキーウエイ・キャンディー・バー」を売り出して、大好評。
マースは自分の名前に因んで、宇宙的な賞品を出したいと、思っていたんだそうです。で、「ミルキーウエイ……」がヒットに。1923年のこと。
1923年に初演されたのが、『おえら方』。もちろん、サマセット・モオムの戯曲。この中に、ソーントン・クレイという人物がこんな科白を言う。

「ロンドンで洋服屋はあすこだけですな、 ( フレミングに ) もちろん、ドイツ人です。だがこの、芸術に国境ないんだから。」

これは英国紳士が、アメリカ青年に、どこで洋服を仕立てるかを、教えている場面なんですね。
もしかすれば、「フレデリック・シュルツ」のことかも知れませんが。ウインザー公もこの店で上着を仕立てたことがあるんだとか。シュルツの裁断は、今のスーツにも影響を与えているそうです。
まあ、自分好みの裁断の服で、夜空を見上げるとしましょうか。

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