ワーテルローと縞シャツ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ワーテルローは有名ですよね。「ワーテルローの戦い」で。
1815年6月18日。ベルギーのワーテルローにおいて。イギリス軍とフランス軍との戦。ナポレオン軍が大敗したことでも知られています。勝ったのはウエリントン公。
「ワーテルローの勝利はイートン校の校庭にあり」
イートン公はそんなふうに言っています。
ワーテルローの戦を語るのが得意だったのが、デュマ。『三銃士』の著者、アレクサンドル・デュマ。『椿姫』のアレクサンドル・デュマのお父さん。
ある夜のこと。例によって例のごとく、「講釈師見てきたような……」調子で、デュマが戦況を語る。皆、聞き惚れて。ただ、その晩は実戦に参加したある将軍が客の中に。デュマの語りがあまりに舞文曲筆なので、さすがに口を挟んだ。「それはですね……」。その時のデュマのひと言。
「将軍、残念ですなあ。よくご覧ではなかったとは」
デュマの芝居がある劇場にかかった。客の入りは、もうひとつ。で、デュマ一計を案じて。新聞に三行広告を。
『きのうのお芝居で、わたくしのほうをご覧になっていた殿方はどなた?
今夜もいらっしゃいますか? お話があります。
恋する乙女より。」
この三行広告で、満席。我も我もと紳士が切符を買ってくれたから。
アレクサンドル・デュマの代表作に、『モンテ・クリスト伯』が。この中に。

「漆塗りの帽子、縞のシャツ。それにボタンの上には錨のついた青い上衣を着ることにしよう。」

これはフェルナンが船乗りになろうと、決心する場面なんですね。
さて、縞のシャツを着て。ワーテルローに行くとしましょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone