カフェとカフ・リンクス

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

カフェは、心落ちつける場所ですね。静かで、心地よい空気が流れていて。天井は高く、低くクラッシック音楽が流れていて。今、淹れたばかりの珈琲がプチフールとともに運ばれてきて。何時間でも長居がしたくなってきます。そしてまた、毎日でも通いたくなってきます。
素敵なカフェのあるところこそ、素敵な街なのでしょう。素敵なカフェのある街で想い出すのは、ウイーン。
ウイーンで作られた映画に、『カフェ・エレクトリック』があります。1927年の、ウイーン映画。この『カフェ・エレクトリック」に、エリー二の役で出ているのが、若き日のマルレーネ・ディートリッヒなんですね。監督は、グスタフ・ウチッキー。グスタフ・ウチッキーは、グスタフ・クリムトの息子ではないか、との噂があった人物。映画会社は、当時ウイーンに一社だけの映画会社、「サッシャ・フィルム」。「サッシャ・フィルム」の社長が、富豪で侯爵の、アレクサンデル・ヨーゼフ・コロウラート=クラコウスキー。
クラコウスキー侯爵には、ドイツ映画を凌駕したいとの夢があったのです。そこで、ドイツ映画に出ていたディートリッヒに白羽の矢が立ったのでしょう。
『カフェ・エレクトリック』には、ウイーンの俳優、イーゴ・シムという男が出ていて。撮影の合間、ディートリッヒにミュージカル・ソオを教えてくれた。ミュージカル・ソオは、ノコギリを楽器にしてしまう藝。ディートリッヒはたちまちそのコツをのみ込んだという。
それから後に、クラコウスキー侯爵は病に倒れて。その時のたったひとつの希いは、ディートリッヒの脚を眺めることであったという。
1987年11月。クリスティーズは、ディートリッヒの装身具のほんの一部をオークションに出した。たとえば、ヴァン・クリーフ・エ・アーペルのネックレスとか。これには七十個のダイヤモンドが飾れていた。それはある人からの贈り物で。「マルレーネへ、ヴィットリオより」の銘が刻まれていたという。
その中のひとつに、ダイヤモンドとサファイアを鏤めた、カフ・リンクスが。
それはそうでしょう。ディートリッヒはあれほどに男装を美しく着こなしていたのですからね。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone