映画俳優とエルボー・パッチ

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映画俳優は、憧れの対象ですよね。映画俳優は、スター。輝ける星。そしてまた、星の数ほどの映画俳優がいるのも、事実でしょう。
その中に、ラスボーンがいます。ご記憶でしょうか。ベイジル・ラスボーン。ベイジル・ラスボーンは戦前戦後を通じて、シャーロック・ホームズ役を演じて好評だった俳優。いや、「ホームズはラスボーンをおいて他になし」とまで謳われた役者だったのです。
ラスボーンがホームズか、ホームズがラスボーンか、と。
フィリップ・セント・ジョン・ベイジル・ラスボーンは、1892年の生まれ。若い時から役者志望で、最初は舞台でシェイクスピア劇を。やがて、舞台から映画に。1938年には、アメリカ映画『ロビン・フッドの冒険』にも出ています。
1939年。あるパーティーで、ザナックに出会って。当時、20世紀フォックスの社長だった、ダリル・F・ザナックに。ザナックは、ラスボーンをひと目見て。「ここにホームズがいる」と思った。
それで作られた映画が、1939年の『シャーロック・ホームズの冒険』なのです。これが拍手喝采となって。「ホームズはラスボーン」の印象が定まったのであります。
ところが、ラスボーンはホームズ物のパロディまで書いているのです。『サセックスの白昼夢』。1947号『ベイカー・ストリート・ジャーナル』誌10月号に発表されています。これはホームズが引退した後の様子を描いた物語。この中に。

「彼は古風なスポーツジャケットの大きな二つのポケットに、拡大鏡と拳銃をしまった。ジャケットの肘には、革の肘当てが付いていた。」

「彼」が、引退後のホームズであるのは、いうまでもありましょう。引退してからのホームズは、エルボー・パッチの替上着を着ていたんですね。
なにかエルボー・パッチのあるジャケットを着て、映画俳優の写真集を探しに行くとしましょうか。

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