ファイフとフロック

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ファイフという名の楽器があるんですってね。金管の、小型の横笛。よく、鼓笛隊などでもドラムスに合わせて、ファイフを使うことがあるらしい。
でも、どうして「ファイフ」f if e なのか。これはどうもスコットランドにはじまった楽器のようです。スコットランドのゲール語、「ファイフ」 pf e if e と関係が。ゲール語の「ファイフ」はパイプのこと。パイプから、横笛が生まれたのでしょうか。
もっとも横笛とは別に、スコットランドには「ファイフ」F if e の地名もありますから。スコットランド東部、タイ湾にも近いあたりの場所。名所旧蹟の多い場所でもあります。
スコットランドで、ファイフとくれば、タータンにもあります。グリーンの地に、レッドとブラックの凝った格子をあしらった柄のことです。
デューク・オブ・ファイフ専用のタータン。1889年に、ヴィクトリア女王によって創設された公爵家であります。ルイーズ姫が、アレグザンダー・ダフに嫁いだので、「ファイフ公爵」に。ルイーズ姫は、後のエドワード七世の姫君。
ファイフが出てくるミステリに、『バスカヴィルの謎』があります。1998年に、ローリー・キングが発表した物語。ただし、時代背景は1910年頃に置かれています。とにかく、シャーロック・ホームズが九十歳くらいで、メアリという女性と結婚しているという話なんですからね。

「彼女は親切にも高々と積みあげたバター・トーストと三人分の皿を添えてくれていた。ファイフはひとりでほとんどたいらげ、コーヒーも三杯おかわりしていた。」

「ファイフ」は、ホームズの友人という設定になっています。では、ホームズはどんな服装なのか。

「わたしに背筋をのばさせたのは、彼が身に着けている古風な聖職者用のカラーやボタンが上まであるフロックコートではなく、その顔だった。」

ということは、僧侶が着る立襟式のフロック・コートを着ていたのでしょう。私の推理によれば。
一度、フロック・コートを着て、スコットランドのファイフを旅したいものではありますが。

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