図書館とドット

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図書館は、たくさん本が並んでいるところですよね。本がたくさんあるということは、本がたくさん読める場所でもあります。本がたくさん読めることは、勉強に励める場所でも。
なんでもよく知っている人のことを、博覧強記と言ったりします。「博く閲覧して、強く記憶している」ということなんでしょうか。たとえば、南方熊楠。南方熊楠は、和歌山県の出身。およそ一度聞いたことは、全部頭の中に入ってしまったという。
南方熊楠が多く学んだのが、大英博物館。大英博物館とはいいながら、その図書館が充実していることでも、有名。たぶん世界最大級の図書館でしょう。ここの、円形の読書室は、広く、天井が高い。
南方熊楠に勝るとも劣らないのが、マルクス。あの『資本論』の著者、カール・マルクス。カール・マルクスは1849年巴里から倫敦に移っています。1849年8月27日に、巴里を発って。
さて、倫敦でのマルクスの生活。ほとんど毎日、大英博物館に通った。朝の9時から夜の7時まで。マルクスの『資本論』が出たのが、1867年9月14日。その大半を大英博物館で書いたと言っても過言ではないでしょう。
1862年のある日。ひとりの閲覧者が、読書室の席を探して、座ろうと。すると、職員がやってきて、「そこはドクター・マルクスのお座りになるところです」と。その人物は別の席に移ったという。
図書館が出てくるミステリに、『キ印ぞろいのお茶の会の冒険』があります。1929年に、エラリイ・クイーンが発表した物語。

「見たところ、図書室で、本が詰った、モダーンな作りの、ひろびろとした部屋だった。」

これは、個人の屋敷の、図書室なんですね。また、『キ印ぞろいのお茶の会の冒険』には、こんな描写も出てきます。

「ジョージ・アーリスを思い出させるような顔つきで、首には、水玉模様の蝶ネクタイを結び、ヴィクトリア朝風の古風なチョッキを着…………………。」

つまり、ドットのボウ・タイなんですね。
時には、ドットのボウ・タイで、大英博物館に行きたいものですが。

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