マキャヴェリとマッキノー

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マキャヴェリという人が、むかし居たんだそうですね。ニコロ・マキャヴェリ。十六世紀、イタリアは、フィレンツェのお方。
マキャヴェリといえば、「マキャヴェリズム」という言葉もあって、たいへんな人物だと思われているようです。ニコロ・マキャヴェリの代表作は、『君主論』。読み方によっては、「目的のためには手段を選ばず」といった内容も含まれています。
ここから、マキャヴェリといえば権謀術数の言葉を想い浮かべるのでしょう。権謀術数と書いて、「けんぼうじゅっすう」と訓みます。皮肉な見方をいたしますと。マキャヴェリがいたからこそ、「権謀術数」の四文字熟語が生きながらえた、そうも言えるでしょう。「権謀術数」からしてみれば、マキャヴェリ様さまでもありましょう。
ニコロ・マキャヴェリは、1501年。三十二歳で、マリエッタ・コルシーニと結婚。その頃のマキャヴェリは出張が多かった。出張先で、きれいなお姉さんに心奪われたりも。そんなことを考えてみると、案外、ふつうの男だったとも思えてくるのですが。
マキャヴェリが『君主論』を書いたのは、1531年の秋。一気呵成に仕上げています。この時のマキャヴェリは、失職中。『君主論』を嘆願書として読めば、まあ、これくらいのことは書くのではないでしょうか。つまり、マキャヴェリは長い間、大いに誤解されてきたのだろうと、思うのですが。
マキャヴェリが出てくるミステリに、『アメリカ銃の謎』があります。エラリー・クイーンが、1933年に発表した物語。

「ドアが蹴あけられて、死体のような青い顔をしたマキアヴェリがとび込んできた。頬に真っ黒なひげを生やし、こちこちの山高帽をかぶって…………………。」

これは、「マキャヴェリ」と呼ばれている男の様子。また、『アメリカ銃の謎』には、こんな描写も出てきます。

「ぼろぼろになった、雨にさらされた、古ぼけたマキノーを着ていた。」

これは、ベンソン・ミラーという男の着こなし。ベンソン・ミラーは、カウ・ボーイという設定ですから、「マキノー」なのでしょう。
もちろん、「マッキノー」のことなんでしょう。m ack in aw は、もともとマッキノー・ブランケットで仕立てられたコートのこと。当時、マッキノーで、ネイティヴ・アメリカンに、特別に配られた、生地の厚い毛布。後に、その厚い毛布で仕立てられたコートをも、マッキノーと。
マッキノーを羽織って。マキャヴェリの本を探しに行くとしましょうか。

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