チョコレエトとチェルシー・ブーツ

チョコレエトは、チョコのことですよね。
チョコレエトを短くして、「チョコ」。
chocolate と書いて「チョコレエト」と訓みます。フランス語なら、「チョコラ」でしょうか。
チョコレエトはまたココアでもあります。いや、チョコレエトとココアは姉妹の間柄というべきなのでしょうか。
少なくとも原料がカカオであるのは、間違いありません。

「彼は椅子の上に輕く身體を揺りながら、チヨコレートの菓子とコニヤツクの杯を両手に取つて、一方をかじり、一方を啜つた。」

大正十二年に、豊島与志雄が発表した小説『野ざらし』に、そのような一節が出てきます。
これは佐伯昌作という男が「柳容堂」という喫茶店で、寛いでいる場面。
うーん。たしかにブランデーにチョコレエトは合いますからね。
あるいはまた、キス・チョコにウイスキイというお方もいらっしゃるでしょう。
キス・チョコは、1907年に生まれているんだとか。
アメリカ、ペンシルヴァニア州のチョコレエト会社
「ハーシーズ」が売り出して。
もともとの名前は、「キッシーズ」。
当時は一つづつ、手で包んでいたんだそうですね。
「ハーシーズ」は、1893年の創業。
ミルトン・S・ハーシーによって。
ハーシーが板チョコを販売するようになったのは、1894年のことなんだそうです。
ミルトン・スネイヴリイ・ハーシーは、1857年の生まれ。1945年に世を去っています。
ハーシーはチョコレエト業界のフォードだと言われている人物。
手作業のチョコレエトを機械で作ることを考えたお方なので。
今でもペンシルヴァニア州には、「ハーシー」という町があります。
ハーシーが作った町。
ハーシーには、「ハーシー百貨店」があり、「ハーシー銀行」があり、「ハーシー図書館」があります。
ここは「ハーシー国」と言っても良いでしょう。
とにかく、町の中に、チョコレエト・アヴェニュウや、
ココア・アヴェニュウがあるんですからね。
チョコレエトが出てくる小説に、『黒い犬』があります。
英国の作家、イアン・マキュアーンが、1992年に発表した物語。

「ブラジル産のコーヒー、高級チョコレエトが五、六枚、ほかに、私のノートが入っていた。」

これは「私」の持物として。
また、『黒い犬』には、こんな描写も出てきます。

「背丈はすでに六フィートあり、チェルシー・ブーツをはいて、擂り歩く少年の、蒼白い顔が照らし出される。」

「チェルシー・ブーツ」chelsea boots は、脇ゴム入りの、足首までのブーツのこと。
1962年「サンデイ・エクスプレス」2月4日号に、
「チェルシー・ブーツ」の説明が出ています。
どなた1960年代のチェルシー・ブーツを作って頂けませんでしょうか。