フランチェスカとプールポアン

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フランチェスカで、画家でといえば、ピエロ・デッラ・フランチェスカでしょうね。もちろん、中世、イタリアの絵師であります。
ピエロ・デッラ・フランチェスカの代表作に、『キリストの笞打ち』があります。キリストが捕らえれて、今まさに笞打ちされている光景を描いた傑作。フランチェスカは『キリストの笞打ち』の他にも、多くの宗教画を遺しています。
フランチェスカがいつ『キリストの笞打ち』を描いたのか、正確には分かってはいません。だいたい、1465年頃のことではないかと、推測されてはいるのですが。
そもそもフランチェスカの誕生年さえ分かってはいないのです。もちろん時代のせいでもあるのでしょうが、謎の絵師とも言えるかも知れません。今では、およそ1417年頃の誕生だろうと考えられています。お父さんの、ベネデットは皮革業者だったらしい。

「絵画はわれわれが素描、測定、そして色彩と呼ぶ、三つの主要な要素からなっている。」

ピエロ・デラ・フランチェスカは、『遠近法論』の中に、そのように書きはじめています。」フランチェスカが遠近法の確立者とまでは申しませんが、理論家でもあったのは、事実でしょう。
フランチェスカではなく、フランチェスコが出てくる小説に、『パンタグリュエル物語』があります。

「或る時、最高法院のお歴々のために、一人のフランチェスコ会の司祭が弥撒を唱えた折のこと…………………。」

『パンタグリュエル物語』は、1542年にラブレエが発表した古典であります。1542年は、ちょうどフランチェスカ没後五十年のことになります。
また、『パンタグリュエル物語』には、こんな描写も。

「代母の方々を十分におもてなしするには、ちゃんとプウルポアンも着ねばならんわい。」

「プウルポアン」は、中世フランスの、胴着。プールポアンのことでしょう。もともとは騎士が鎖帷子の下に着た、刺し子の胴着。それが時代とともに、あたかもチョッキのように愛用されるようになったものです。
さて、なにか好みのチョッキを着て、フランチェスカの絵を観に行くといたしましょうか。

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