竪琴とターバン

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竪琴は、ハープのことですよね。いや、竪琴がすぐにハープと決めつけることはできません。世界にはたくさんの竪琴があるのですから。ただ、ハープが代表的な竪琴であるのは、間違いないでしょう。
ハープの原型は古代からすでにあったそうですね。それは弓に弦を張った楽器。いつの時代にも、美しい音色を愛する人は少なくないのでしょう。
ハープ harp。ハープ演奏家が、「ハーパー」。雑誌の『ハーパーズ・バザー』は、ハープ演奏家の市場」。そうも訳せるのでしょうか。

「サンドラ、ベロニが月下に竪琴をひいて以太利亜風の歌を森の中でうたつてる所は、君の庚申山へヴァイオリンをかゝへて上る所と同曲にして異巧なるものだね。」

夏目漱石の『吾輩は猫である』に、そんな一節が出てきます。これは「先生」の、「寒月君」への言葉として。漱石も竪琴の音楽がお好きだったのでしょうか。

竪琴と題につく小説に、『ビルマの竪琴』があります。昭和二十三年に、竹山道雄が発表した物語。
1945年頃のビルマ(今のミャンマー)が背景になっています。

「弦は銅、鉄、またはアルミかジュラルミンの針金です。低い音を出すのは革紐です。」

「ビルマの竪琴」は、そんなふうに説明されています。もちろん戦場でのことですから、手作りの竪琴。
この『ビルマの竪琴』を読んで感動したのが、市川
昆。二回、映画化しています。一回はモノクロームで。二回目にはカラーで。二回目は、昭和六十年のこと。主役の「水島上等兵」に扮するのが、中井貴一。空前の大ヒットとなった映画です。
竹山道雄の『ビルマの竪琴』を読んでおりますと、こんな描写が出てきます。

「………もう広場のむこうの森の中に、たしかグルカ兵らしき姿が見えます。インド兵のターバンも見えます。」

「ターバン」turban もまた一種の帽子なのでしょう。細長い布を頭に巻いて帽子に仕上げるわけですから。
どなたかターバン式の帽子を作って頂けませんでしょうか。

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