サラダとサージ

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サラダは、生野菜のことですよね。生野菜をたくさん食べるには、サラダがいちばんでしょう。私の毎日の食事は、野菜不足かも知れません。サラダは、健康食という印象があります。
「サラド」salad は1390年頃からの英語なんだそうですね。
でも、それ以前に生野菜を食べる習慣がなかったわけでもありません。
たとえば、古代ロオマの時代。生レタスを食べたんだそうですね。いや、レタス以外の野菜は生食することがなかったらしい。
その意味ではサラダのはじまりはレタスである。そうも言えるのかも知れません。
レタスはレタスでも、「ロメイン・レタス」。ちょっと白菜を細長くした感じのレタス。玉レタスではないほうのレタス。

「すべての食べ物のなかで、最高の野菜汁を持つものがレタスである。」

古代ロオマの賢人「ガレノス」は、そんな言葉を遺しています。
だからというわけでもないでしょうが。古代ロオマの富裕層は、競ってレタスを食べたという。主に、「ガルム」を添えて。ガルムは、魚醤。日本でいう「しょっつる」に似た魚のエキス分のことです。
ガレノスはまた、レタスに安眠効果があるとも考えていたらしい。夕食にレタスを食べると、必ず熟睡が待っていると信じていたらしい。
うーん、今宵はレタスのサラダを頂くとしましょうか。

サラダが出てくる小説に、『感情教育』があります。フランスの文豪、フロベエルの物語。ただし、ここに引用させて頂くのは、1845年の初稿。
『感情教育』は、1869年の刊行。でも、ギュスターヴ・フロベエルは、1845年から何度も何度も書き直しているのです。その最初の原稿なのですが。

「………また、かれがサラダに添えてつくる調味料と、デザートのときにかれの言う洒落にみんなが満足してくれさえすれば………」

ドレッシングを作るのは、ひとつの芸なんでしょうね。
また、この『感情教育』には、こんな描写も出てきます。

「………教会用の二脚の腰掛、緑のサージえおおわれた大きなベッド………」

サージ serge は、綾織地のことですよね。フランスなら「セルジュ」でしょうか。サージは丈夫な生地なので、応用範囲が広いものです。
どなたか純白のサージでスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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