ボスとボタンド・ブーツ

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ボスは、わりあいよく使う言葉ですよね。上司だとか先輩だとかを指すときに、「ボス」と言ったりします。
英語の「ボス」bossは、オランダ語の「バース」baas から来ているんだとか。このバースは、「家長」の意味。それで後に「長」 ( おさ ) の意味が生まれたのでしょうね。
洋弓でも「ボス」 boss のいい方があって。アーチェリーの的を掛けるための藁の台のこと。そんなところから、「ア・ボス」と言ったら、「見当ちがい」の意味にもなるんだそうですね。
ファッションのほうにもボスはあって、「ヒューゴ・ボス」。1923年に、ドイツのヒューゴ・フェルディナント・ボスがはじめた会社なのでその名前があります。
ヒューゴ・ボスが出てくる小説に、『人生は短く、欲望は果てなし』があります。フランスの作家、パトリック・ラペイルが、2010年に発表した物語。

「ノーラにいたってはヒューゴ・ボスのリネンのシャツを、それを着る時には必ず彼女と一緒にいてどれだけ幸せだったかを思い出すと誓うことを条件に彼にプレゼントする。」

もちろん、パリの街での話なんですが。ノーラは女の子。男の子は、ブレリオという名前。『人生は短く、欲望は果てなし』には、こんな描写も。

「白いスーツとボタン付きのハーフブーツがカンツオーネの歌手を連想させるからであろう。」

これはブレリオから眺めての、ジャン・ジャックという人物の着こなし。
十九世紀には、男女の別なく。ボタンド・ブーツは、珍しいものではありませんでした。ボタンド・ブーツ専用の鉤型の長いフックがあって、これを使って留めたものです。
誰かボスに頼んで、ボタンド・ブーツをプレゼントしてもらいましょうか。

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