カンカン帽とカラー

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

カンカン帽は、夏帽子のことですよね。帽子全体が堅く仕上げられているで、叩くと音がする。それで、「カンカン帽」と呼ばれるなった。そんな説もあるんだそうです。
カンカン帽は、日本語。英語で、「ボーター」 boater 。「舟を漕ぐ人」の意味。十九世紀に、英國からフランスに伝えられて、「カノティエ」。これも同じく、「舟を漕ぐ人」の意味。
では、どうして英國で「ボーター」が生まれたのか。これは、パブリック・スクールと関係があるんだそうですね。十九世紀のはじめ、パブリック・スクールではボート競技が盛んだった。そのために、練習をする。練習中にストロー・ハットを川に飛ばしてしまう。舟を戻して、拾いに行く。行くともう、川の中に。
なんとか、しばらく水の上に浮いていてくれるストロー・ハットはないものか。こうして、ボーターが誕生したんだそうです。
ボーターが出てくる小説に、『富めるもの貧しきもの』があります。アーウィン・ショオが、1969年に発表した長篇。

「彼女は彼に勧めてカンカン帽を買わせた。」

「彼女」は、メアリー・ジョーダン。『彼」は、アクセル・ジョーダン。つまり、奥さんが旦那にカンカン帽を勧める場面。
「アメリカの実業家」らしい恰好を整えるために。時代背景は、1945年のNYになっています。
『富めるもの貧しきもの』には、こんな描写も出てきます。

「カラーをつけネクタイをし背広を着ていた。」

これはアクセル・ジョーダンの息子、トマスの着こなし。
「カラーをつけ………」とあるところからの想像なのですが。これはたぶん、デタッチット・カラーになっているでしょう。つまりは、付け襟。
一度、デタッチット・カラーのシャツに、カンカン帽をかぶってみたいものですね。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone