ロセッティとロール・ネック

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ロセッティは、英國の有名な絵師のことですね。ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ。
ロセッティは、1828年5月12日、倫敦に生まれています。ロセッティはことに美人画を描くのに、巧みでありました。絵師である一方で、詩人でもあった人物。

彼女のような美は天才だ。
ホメロスやダンテの崇高な心の声もー
時の帯に襞を寄せるミケランジェロの手もー

ロセッティは『美の天才』と題する詩を詠んでもいます。
ロセッティは絵師で、美人画ですから、多くのモデルをも使っています。
ロセッティは、モデルのことを「スタナー」st unn er と呼んだという。つまり「スタンさせる人」。要するに、見る人を気絶させるほどお美しい人と言ったのです。「気絶型美人」でしょうか。
ロセッティにとってのなによりの「スタナー」が、ジェインだったのです。ジェイン・バーデン。
ロセッティがジェイン・バーデンを発見したのは、1857年のこと。オックスフォードの劇場で。偶然、芝居を観にきていて、ロセッティと会ったのです。
それ以降、ロセッティは多く、ジェイン・バーデンをモデルに絵を完成させています。
でも、ジェインは、ウイリアム・モリスと結婚。ジェイン・モリスとなったのです。一時期は、モリスとロセッティ、そしてジェインは、三人で一緒に暮らしてもいます。このあたりが我ら凡人には理解の届かないところなのですが。
ロセッティの友人だったひとりに、オスカー・ワイルドがいます。オスカー・ワイルドが出てくるミステリに、『勇者の代償』があります。1971年に、ジャック・ヒギンズが発表した物語。

「オスカー・ワイルドはかつて、人生とは辛い十五分間のようなものだが、なかに素晴らしい一瞬一瞬があるからこそ償いがあるのだといった。」

『勇者の代償』には、またこんな描写も出てきます。

「彼はスラックスととっくりのセーターを着ており、箱の煙草に伸ばした手が震えていた。

「とっくり」は、日本語。「徳利」と書きます。徳利の形に似ているので。アメリカ英語で、「タートル・ネック」。「亀の頸」というわけです。
まったく同じものをイギリス英語で、「ロール・ネック」。「巻いてある頸」ということなのでしょう。
ロール・ネックのスェーターで、ロセッティの画集を探しに行くとしましょうか。

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