スタンフォード大学とスコッチ・トゥイード

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

スタンフォード大学は、有名ですよね。1891年、リーランド・スタンフォードによって設立されたので、その名前があります。1920年頃まではいっさいの学費がなかったという。
そのことと関係があるのかどうか。優秀な人材をたくさんおくり出しています。たとえば、イーディス・ヘッド。イーディス・ヘッドは今や伝説的な衣裳デザイナー。主に、ハリウッドの「ワーナー・ブラザーズ」を拠点に活躍したお方。アカデミーの衣裳デザイン賞をもっとも多く受けているデザイナーでもあります。
エリザベス・テイラー、オオドゥリー・ヘップバーン、グレイス・ケリー………………。イーディス・ヘッドを信奉する女優は少なくありませんでした。
1954年の映画に、『ダイヤルMを回せ』があります。アルフレッド・ヒッチコックの監督。主演は、グレイス・ケリーと、レイ・ミランド。そして、グレイス・ケリーの衣裳を担当したのが、イーディス・ヘッド。
ヒッチコックもまた、凝る人で。映画の中で、電話器とそれを回す指を大写しにしたかった。でも、当時の撮影機ではぼやけてしまう。そこで、ヒッチコックはどうしてのか。巨大な電話器と指とを、模型で作らせて、撮影。その時には誰も模型とは気づかなかったという。
『ダイヤルMを回せ』は、ヒッチコックとグレイス・ケリーの初顔合わせ。ヒッチコックは撮影の合間に、冗談ばっかり。時に、必ずしも上品ではない話も。しかしグレイス・ケリーは眉ひとつ動かさない。で、ヒッチコックがグレイス・ケリーに問う。「君はなんともないのかね?」。それに答えて、グレイス・ケリー。
「ヒッチコックさん、お言葉ではありますが。わたくしは十三の時から、カトリック系の寄宿校で育って参りました。その手のお話は飽きるほど耳にしておりますので……………。」
これにはさすがのヒッチコックもギャフンと言ったでありましょう。
ところで、スタンフォード大学が出てくるミステリに、「ウィチャリー家の女』があります。1961年に、ロス・マクドナルドが発表した物語。

「スタンフォード大学を辞めたんですよ。」

これは富豪のウィチャリーが、娘のことに触れている場合。では、富豪の、ホーマー・ウィチャリーはどんな恰好をしているのか。

「着ているものは輸入品らしいツイードの服で…………………。」
場所は、アメリカ、ロサンゼルスで、富豪となれば、やはり「スコッチ・トゥイード」以外には考えられませんね。
スタンフォード大学には及びもつきませんが。せめてスコッチ・トゥイードの服で、スコッチ・ウイウキイを舐めるといたしましょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone