ピエールとビロード

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ピエールは、わりあいと多い名前ですよね。ピエール・バルマンだとか、ピエール・カルダンだとか。
ピエールのそもそものはじまりは、「新訳聖書」のペトロにあるんだそうです。ペトロは、ギリシャ語で「石」の意味があったという。「石のように硬い意志を持つ男」の印象でしょうか。
ピエールの名前を持つ画家に、ルノワールがいます。ピエール=オーギュスト・ルノワール。1841年2月25日、リモージュの生まれ。ピエールのお父さんは、レオナール・ルノワールで、洋服職人だったという。
ピエール=オーギュスト・ルノワールは、1854年に、巴里の「レヴィ・フレール工房」に入っています。ピエールが十四歳くらいの時に。磁器の絵付け師の見習いとして。ピエールは磁器の絵付け師としても、優れていたそうです。
ピエールはある日、昼飯を食べようと、レアールの辺りを歩いていた。そこで偶然、噴水に出会った。ジョン・グージョン作の『水の妖精』に。ピエールはその彫刻の線を見て、動けなくなった。ルノワールが画家を目指すことになった最初の出来事だったのです。
1862年、ルノワールは画塾に入って、本格的に絵の勉強を。ルノワール、二十歳の時であります。
ルノワールは自作の絵を官展に出して、落選。1866年のことです。
1866年の巴里で出たのが、『ルルージュ事件』。エティエンヌ=エミール・ガボリオの作。『ルルージュ事件』こそ、フランス初の探偵小説といわれているものです。この『ルルージュ事件』の中に。

「子爵は長椅子に寝そべるように座っていました。ビロードの上着にやはりビロードの室内用ズボンといった姿で、首に大ぶりの白い絹のスカーフを巻いてね。」

たぶん、ヴァルヴェットの室内着なのでしょう。むかしはよくビロードは部屋着にもされたらしい。
なにかビロードの服を着て、ルノワールの画集を探しに行くとしましょうか。

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