カーネーションとカフ・リンクス

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カーネーションは、可憐な花ですよね。
母の日には、カーネーションを贈る習慣があるのは、ご存じの通り。五月の第二日曜日に。
母の日は、1907年5月12日にはじまったとの説があります。アメリカ、フィラデルフィア、ウエブスターで。
その頃、ウエブスターにアンナ・ジャーヴィスという敬虔なクリスチャンの婦人がいて。このアンナ・ジャーヴィスが世を去って時、ひとり娘のアンナは、母の霊に1束のカーネーションを捧げた。
この話を伝え聞いたのが、ジョン・ワーナーメーカー。翌年、1908年に自分の経営する百貨店の店頭で、「母の日」を行った。これをフィラデルフィアの新聞が美談として記事にしたので、やがてアメリカ全土に拡がったんだそうです。
カーネーションが出てくる小説に、『彼方へ』があります。丸谷才一が、1962年『文藝』10月号に発表した物語。

「今日はカーネーションだった。イヴはフランス語の授業にカーネーションを持ってきた。」

これはイヴという少女のこと。イヴはいつでもなにかの花を持ち歩くという設定になっています。
また、『彼方へ』には、こんな描写も出てくるのです。

「健は包みをあけた。ホワイト・ゴールドの台に翡翠を嵌めたカフス・ボタンが………………………」。

翡翠のカフ・リンクス。いいですねえ。
なにか自分好みのカフ・リンクスを嵌めて、カーネーションを一輪買いに行きましょうか。もちろん、ブートニエールに挿すために。

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