シャーロック・ホームズとジャンパー

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シャーロック・ホームズの説明は、いらないでしょうね。世界中でたぶん、いちばん有名なイギリス人かも知れません。
今でも、「ベイカー・ストリート シャーロック・ホームズ様」で郵便物が着くほどなのですから。
「ホームズ物」には、「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」が登場するのは、よく知られているところ。まあ、ホームズの手足となって働く、少年探偵団のことですね。
第二次大戦中、英国の特殊部隊が、ベイカー・ストリートに置かれたんだそうです。この特殊部隊は、時に「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」の名前で呼ばれたんだとか。これもまた、イギリス式ユウモアだったのでしょう。
「シャーロック・ホームズ」が大人気となった理由は、たくさんあるでしょう。ホームズの推理が明快であること、とか。また、そのひとつに、「ディアストーカー」があるのではないでしょうか。「鹿撃ち帽」。
ホームズは貴族の味方であるよりは、庶民の味方だった。そのことのひとつの表れが、ディアストーカーだったのではないか、と。ディアストーカーは、もともと貴族の狩りに従う従者の帽子だったのですから。
シャーロック・ホームズが出てくるミステリに、『マギンティ夫人は死んだ』があります。アガサ・クリスティが、1952年に発表した物語。

「こちら、探偵ですの。ねぇ、シャーロック・ホームズみたいな ー 鹿狩りの名人で、バイオリンの名手といったものなのよ。」

これは、オリヴァ夫人の科白。もちろん、ポアロを説明しようとしている場面なんですね。
シャーロック・ホームズは時にヴァイオリンも弾いたようです。でも鹿狩りの名人であったかどうかは。たぶん、ディアストーカーからの連想だったのでしょう。
また、『マギンティ夫人は死んだ』には、こんな描写もあります。

「すこし着古された長い黒いコート、二枚の毛のジャンパー…………………。」

これはポアロが、捜査のためにスーツケースを調べているところ。ここでの「ジャンパー」は、日本でいうところのスェーターかと思われます。
イギリスでは、スェーターのことを「ジャンパー」と呼ぶのです。「スェーター」は、もともとアメリカ生まれの言葉ですからね。
なにかお気に入りのスェーターを着て、シャーロック・ホームズ物を探しに行くとしましょうか。

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