シモンとシルク・ホーズ

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シモンは、わりあいフランスに多い名前ですよね。これがイギリスなら、サイモンになるのかも知れませんが。
シモンは男の子の名前だけでなく、姓にもシモンはあるみたいで。たとえば、シモオヌ・シモン。往年の、フランスの女優。たしか1838年の『獣人』にも出ていたような気がします。
シモオヌ・シモンの自室の鍵は、金だったそうです。いくつかの金の鍵をつくっておいて。仲良くなったお友だちには、渡しておいたという。
シモンは小説の題でもあります。『シモンのパパ』。ギイ・ド・モオパッサンの名短篇。どこにでもありそうな話なんですが、モオパッサンの筆にかかると、涙なくしては読めません。名作中の名作。
モオパッサンが小説を本格的に書きはじめたのは、1877年、二十七歳の時。それで1893年、四十三歳で、世を去っています。つまり実際の執筆期間は、十六年だったわけですね。それで、あれだけ多くの宝石のような短篇、長篇、紀行文、詩などを書いたのですから、天才以外の何者でもありません。
ロシアの名手、チェホフにとっての目標は、モオパッサンだった。これはその通りでありましょう。また、ロシアの文豪、トルストイは、『モオパッサン論』を完成させてもいます。
シモンが出てくるミステリに、『カリオストロの復讐』があります。モオリス・ルブランが、1935年に発表した物語。

「翌々日、ラウールはシモン・ロリアンが重態だということをしらされた。」

ラウールとは実は、リュパンの変名なのですが。また、『カリオストロの復讐』には、こんな一場面も出てきます。

「好きな匂い、白リラ。衣裳箪笥には空色の絹のパンツ二枚、同じ色の絹靴下四足。』

これはリュパンが手下の、トーマの好みを読みあげているところ。
たぶん、サックス・ブルーの、シルク・ホーズがお好みだったのでしょうね。
サックス・ブルーの、シルク・ホーズで。モオパッサンの初版本を探しに行きましょう。

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