ジャガーとジョッペ

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ジャガーは、動物の名前ですね。ちょっと豹にも似ているのですが、豹とはまた別の動物。そんなわけで、むかしは「アメリカヒョウ」とも呼ばれたんだそうですが。
ジャガーはまた、自動車の銘柄でもあります。ジャガー J ag u ar のそもそものはじまりは、1922年のこと。ウイリアム・ライオンズが、サイドカーを作ったのが、最初。「SS ジャガー」の名前の自動車を登場させたのは、1935年のこと。
まあ、簡単に申しますと、ライオンがジャガーを作ったわけですね。
ジャガーを「ジャギュア」と発音したのが、伊丹十三。

「象牙色のジャギュア ー これは是非ともジャギュアとして発音してもらいたいのだが………………………。」

伊丹十三著『ヨーロッパ退屈日記』には、そのように書いています。伊丹十三が今からざっと六十年前に買ったのは、象牙色の「マークII」だったのです。
そのころ伊丹十三は、『北京の五十五日』の撮影をスペインで。巴里からスペインまで、ジャギュアを届けたのが、白洲次郎。なんとも優雅なる時代であります。
ジャガーが出てくるミステリに、『オデッサ・ファイル』があります。1972年に、フレデリック・フォーサイスが発表した物語。

「スターターのボタンを押すと、長いボンネットの下で、ジャガーXK 150Sの三・八リッターのエンジンが猛然と身震いし………………。」

まあ、愛好家が陶然となる瞬間でありましょう。
フレデリック・フォーサイスの『オデッサ・ファイル』には、こんな描写も出てきます。

「前合せがダブルになった、青いダッフルコートを着込んだ。これはヨッペというドイツ独特の防寒コートで、ふつうのジャケットとコートの中間ぐらいの丈がある。」

文中の「ヨッペ」は、たぶん ジョッペ j opp e のことかと思われます。ドイツでは時にダッフル・コートを「ジョッペ 」と呼ぶことがあるらしい。
ジョッペ を羽織って、ジャギュアに。まあ、夢物語ではありますが。

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