パステルとバティスト

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パステルは、絵具のひとつですよね。柔らかい表情が独特の味わいを感じさせるものです。「パステル調」なんていうではありませんか。
同じ色のようでも「ピンク」と「パステル・ピンク」とでは、大いに異なった印象を持っています。
クレヨンもあり、クレパスもあり、パステルもあるでしょう。ただし「クレパス」は「サクラクレパス」の登録商標ですよね。

「彼が晩年、パステルを用いて、光り輝く異様な色彩を発明するに到った時………」

1958年に、小林秀雄が書いた『近代絵画』には、そのような文章が出てきます。ここに「彼」とあるのは、ドガのことなのですが。

「ルーヴルに行く毎に、私は、ドガの晩年のパステルの傑作の前を立ち去り難かった。」

小林秀雄は『近代絵画』のなかでそのようにも書いています。

パステルが出てくる伝記に、『マティス』があります。
2009年に、ヒラリー・スパーリングが書いた伝記です。

「創立者であるカンタン・ド・ラ・ドゥールの手になる十八世紀の宮廷人を描いたパステル画………」

「カンタン・ド・ラ・トゥール」絵画校。若き日のマティスは、最初、ここで学んだという。
また、『マティス』には、こんな話も出てきます。

「………その息子のジャン・バティスト・アンリは一八五0年代に儲けの少ない織工の仕事に見切りをつけ………」

この「ジャン・バティスト・アンリ」が、マティスのお父さん。お父さんは北フランスのフランドルの、亜麻の織工だったのです
マティスは、1869年12月31日。この地の機織工場で生まれています。
「バティスト」ba tisteは、薄い麻織物。今はほとんどコットンですが、昔のバティストはすべてリネンだったのです。
どなたか本物のバティストで、シャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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