モルガンとモカサン

モルガンは、人の名前にもありますよね。
Morgan と書いて「モルガン」と訓みます。
たとえば、ミッシェル・モルガン。
ミッシェル・モルガンは、フランスの女優ですね。
1938年のフランス映画『霧の波止場』で、ジャン・ギャバンと共演した女優といえば、思い出すお方も少なくないでしょう。
眼の大きな、美しい女優でしたね。
ミッシェル・モルガンは1920年2月29日。巴里近くの、
ヌイイ・シェル・セエヌに於いて誕生。
2016年12月20日に、九十六歳で、人生の幕をおろしています。
ただ、晩年はほとんど人前には出なかったらしい。
日本でいえばちょっと原 節子にも似ていたのでしょうか。
モルガンで、日本女性でといえば、「モルガンお雪」がいますね。
明治三十八年に、アメリカ人のジョージ・デニソン・モルガンと結婚したので、モルガンお雪。
ジョージ・デニソン・モルガンは、モルガン財閥のお一人だったのです。
一方のお雪は、もともと祇園の藝者。本名は加藤ゆき。
加藤ゆきは十四歳で、藝者に。
お雪は美人であったことに加えて、胡弓の名人でもあったという。
このお雪の美貌と胡弓の音色に心奪われたのが、
ジョージ・デニソン・モルガンだったのです。
その後、ジョージ・モルガンはお雪とともに、アメリカに帰国。
そして、1915年7月に急死。そのためにお雪は日本に帰って。
昭和三十八年五月十八日に、波瀾万丈の人生を終えています。
モルガンが出てくる伝記に、『或る戦後』があります。
フランスの作家、ボーヴォワールが1963年に発表した自伝。

「サルトルがクロード・モルガンにそれを見せると、モルガンは、《これは気の毒だ》と叫んだ。」

これは当時サルトルの名前がブラックリストに載った新聞を見せられた、作家のクロード・モルガンの反応として。
『或る戦後』には、こんな描写も出てきます。

「彼らは黄色い縫いとりをした明るいブルーの服を着て、あらざしの皮のモカサンをはいていた。」

これはボーヴォワールがサルトルと一緒に、ストックホルムの、アビスコに旅した時の見聞として。
「モカサン」mocassin は、英語のモカシンのこと。
フランス語ではモカサンとなります。
どなたかアザラシの革でモカサンを作って頂けませんでしょうか。