ポテトチップスとヘリンボーン

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ポテトチップスは、身近かな食べ物ですよね。ひとたび袋を開けると。いつの間にか、空になったしまう。不思議な食べ物でもあります。
ポテトチップスはもちろん、アメリカ生まれ。ポテトチップスのもとは、フレンチ・フライ。「うんと薄いフレンチ・フライが欲しい」という客があって。で、シェフが半ば冗談に、薄切りのフライ・フライを。これがやがて人気になって、ポテトチップスになったんだとか。
1853年。NY、サラトガ・スプリングスのレストランでのこと。シェアの名前は、ジョージ・クラムだと、伝えられています。
ポテトチップスはイギリスにもあって。ふつう、「クリスプス」の名前で呼ぶんだとか。「パリッとしたやつ」とでも言えば良いのでしょうか。イギリスでの「チップス」は、フレンチ・フライを指すらしい。それはともかくイギリスにも「ポテトチップス」は、ある。
イギリスでの「ポテトチップス」は、ウォーカーズが有名。ハリー・ウォーカーが、英国、レスター州ではじめたので、その名前があります。
「ウォーカーズ」の「クリスプス」には五種類ほどあって。赤い袋に入っているのが、「塩味」。ブルーの袋が、「チーズ&オニオン味」。グリーンの袋が、「ソルト&ヴィネガー味。
ブラウンの袋が、「ビーフ&オニオン」。紫の袋が、「ウスターソース味」。
やはり、それぞれの国によって、味の好みが違うんでしょうね。
ポテトチップスが出てくるミステリに、『蔵書まるごと消失事件』が。イアン・サンソムが、2005年に発表した物語。

「イスラエルはおちつこうとして、ポテトチップスをむしゃむしゃと食べた。チーズ&オニオン味。」

「イスラエル」は、物語の主人公で、図書館の司書の、イスラエル・アームストロングという若者。
イスラエルは司書になるために。ロンドンからアイルランドの、タムドラムに来ているという設定。そしてタムドラムで食べたポテトチップスは、ロンドンのそれとは、まったく別物であった、という場面。そんなにも違うんですね。また、こんな描写も。

「三つ揃いのヘリンボーン織りのスーツを着たイスラエルは、女に縛られずに自由気ままに生きるジェームズ・ボンドのような気分になっていた。」

まあ、そんなこともあるんでしょうね。
さて。ヘリンボーンのスーツを着て。ポテトチップスを買いに行くとしましょうか。

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