スコーンとアルパカ

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スコーンに紅茶、よく合いますよね。
スコーンを半分にいたしまして。バターをたっぷりとつけて。あるいはまたビターなマーマレードを。美味しいものです。
スコーンは、スコットランドに古くから伝わるバノック bannock から来ているのでは、との説もあります。昔ながらのバノックを発展させて、レーズンやバターを加えたのが、セルカーク・バノック。
1859年に。スコットランド、セルカークのパン屋、ロビー・ダグラスが考えたんだとか。
その昔、ヴィクトリア女王がスコットランドへ。その時、詩人のウォルター・スコットの縁者の家を訪ねたという。そこで紅茶に添えて出てきたのが、セルカーク・バノック。ヴィクトリア女王、ことの外それがお気に召したんだそうです。
スコーンが出てくるミステリに、『死の扉』が。1955年に、レオ・ブルースが発表物語。

「自家製のジャムにケーキ、クリーム、フルーツ、スコーン、農場の牛乳から作ったサフラン色のバターを塗り、天火で焼き上げた香り高いパン」

これは物語の中ほどに出てきます。でも小説のはじめには、こんな描写もあります。

「すなわち、日照時間が六時間もあり、そのうちの二時間は塗りたてのペンキをふくらませ、老紳士にアルパカ地の夏服に着替えさせるほどの暑さだったということだ。」

1950年頃の英国では、アルパカの夏服があったのでしょう。
アルパカは南米の高山に棲む動物。アルパカはグアナコより少し小さく、ヴィキューナよりは少し大きい動物。その繊維は、細く、長く、珍重されるものです。
いつかアルパカを着る日を夢見て。とりあえず、スコーンを食べるとしましょうか。

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