ガウンと外套

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ガウンは、ドレッシング・ガウンのことですよね。部屋着のことであります。
たとえ自分の部屋であっても、パジャマ一枚で居るよりもガウンを羽織っていた方が優雅な気分でいられるというものでしょう。
gownと書いて、「ガウン」と訓みます。英語としては1325年頃から用いられているとのことです。これはラテン語の「グンナム」gunnam
から来ている言葉だと考えられています。その意味は、「肌」。もともとは素肌の上に羽織った衣裳だったのでしょうか。

「彼女は皮膚のやや荒い肉の締まった素足を長々と二本、寛衣の下へむきだした。」

昭和三年に、龍胆寺 雄が発表した小説『放浪時代』に、そんな一節が出てきます。龍胆寺 雄は「寛衣」と書いて、「ガウン」のルビを添えています。
これは友人の、十七歳の妹の様子として。
『放浪時代』に、銀座で珈琲を飲む場面が出てきます。「風月堂」に行こうと、誘うんですが。そこで、珈琲とビーフ・サンドイッチを注文しています。

ガウンが出てくる『日記』に、『サミュエル・ピープスの日記』があります。

「………国王は彼にガウンを着せ、剣をつけ、宝冠をかぶせ、認可書を渡した。」

1661年4月20日の『日記』に、そのように書いてあります。これは儀式用のガウンなのでしょう。
また、『日記』には、こんな文章も出てきます。

「早起きして、できるかぎりのおめかしをし、ビロードのコートを着た。半年前に作ったものだが、これを着るのは今日がはじめてだ。」

1661年4月22日のところに、そのように書いています。
もし、ここでの「コート」を外套と理解するなら、ヴェルヴェットのコートだったのでしょうか。
どなたかヴェルヴェットの外套を仕立てて頂けませんでしょうか。

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