バックとバズビー

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バック b uckは、「雄鹿」のことですよね。バックは雄鹿以外にも、「洒落者」の意味もあります。雄鹿のように美しい男、ということなんでしょうか。
その昔、英國にボオ・ブランメルという洒落者がいたのは、よく知られている通りです。若い時のブライアン・ブランメルはオックスフォード大学に入る。入ってすぐについた仇名が、「バック・ブランメル」。つまりはバック・ブランメルから、「ボオ・ブランメル」へと出世したのでしょうか。
ボオ・ブランメルが出てくるミステリに、『ニューゲイトの花嫁』があります。1950年に、ジョン・ディクスン・カーが発表した物語。

「フランクという男は大変なダンディで、稀代のしゃれ者ブランメルなみに靴の底まで墨をぬって磨き立てる、と聞いていましたが………………。」

これは、フランク・オーフォードという人物の靴の磨き方について。たしかにその通りなのですが。ボオ・ブランメルは、靴底全体ではなく、「土踏まず」を磨いた。これこそ洒落者の心意気だと、ボオ・ブランメルは感じていたのでしょう。
『ニューゲイトの花嫁』には、こんな描写も出てきます。

「キャロラインはその男が軍のバスビー帽をかぶり、マントを着ているのに気づいた。」

「男」の名前は、シャープ少佐。英國、軽騎兵師団の、シャープ少佐。
バズビー b usby をかぶっているのも当然でしょう。バズビーは、正装用の軍帽。ヤマが高く、ツバが狭いのが、特徴。毛皮は黒で、前に白い羽根を飾ることもあります。
バズビーをかぶると、たぶん洒落者に近づけることでしょう。

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